株式投資を始めた頃

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院生~非常勤講師の頃

 本ブログでは、まだ本格的に触れていませんが、研究者になる際にはドクターの院生の頃や非常勤講師の頃は、大学教員になるための修業期間として最も厳しい時期であると言えます。一応の社会的身分らしきものはありますが、学生時代の同期・後輩は着々と会社・官庁等で経験を積み、早ければそれなりの役が付く人も出てきます。そんな中、日々の論文執筆とバイトに追われていると全く先が見えなくなり、将来不安も増大し自分は今後どうなるのだろうと悶々とする日もあります。

 同時に経済的な側面でも院生~非常勤講師の頃には恵まれている方は大変稀で、今はそれなりに活躍している研究者(大学教員)でも意外な苦労をしている場合が間々あります。このような時期、私も同様に経済的には恵まれてはいませんでした。そこで、私は、思い切って株式投資をすることで何とかこの経済的苦境を打開しようと試みました。これまでバイトで貯めていたお金を株式投資する際、不思議と迷いはありませんでした。

 社会科学を研究する者が株式投資を始めて良かったと今更ながら思っています。自分が投資した株式があると必然的に日経平均の動向や経済ニュースにも関心をもつようになり、自分の研究生活ひいては人生にとって、今のところプラスだったと考えています。とはいえ、投資は自己責任が原則ですのでこの点だけはお忘れなきよう。以下、株式投資を始めた頃の私と研究生活との関係を詳しく書いていきます。

証券会社の口座開設ー株価は上昇中だった

 私が株式投資を始めたのは小泉政権下で、日経平均株価が上昇中の時期のことでした。こういう時期になると、いわゆるテレビ等で株式投資や株主優待のことを特集するコーナーが設けられ、株式投資を強く訴求するものです。この傾向は、今後も続くのでしょう。

 2005年秋、株式投資を決断しました。かつて、昭和の頃、株価の推移はラジオ・テレビ・新聞でしか追いかけることのできなかった時代と比較すれば、2005年当時、無料でほぼリアルタイム(数分遅れ)で株価を追いかけられるようになっていました。しかも、証券会社の営業マンとやりとりすることなく(当時、私はプロである証券会社の営業マンとやりとりするのが面倒でズルされるのでは?みたいな何の根拠もない疑念があったので)、インターネットで自分の判断で売り買いできるという話を聞きつけ、これならば自分の納得のいく形で売買ができると思うに至り、一気に証券会社の口座開設に至りました。

どの銘柄にすべきか

 その後、証券会社にバイトで貯めたなけなしのお金を入金しました。預貯金のままでは増えないので株式長者になってやるぞと意気込んでいました。個別株式を買うことは決めていたもののどの銘柄を買うべきか、迷いました。ましてバイトで貯めたお金といっても100万円弱。当時、1単元株(1000株のところがまだ多かった時代です)買うのに数十万円必要なところも多く、株価が上昇中だったので有名企業の株式を買うのなら1単元株であってもそうそうあれもこれも買えない状況でした。そこで、10数万円で買えそうな銘柄を概観し、配当利回りと株主優待とチャートを比較して8銘柄購入しました。

 当時、私など素人が大手企業の株を買うなんてまだまだ早いと思っていましたが、これは誤りでした。新興市場のジャスダックの銘柄にも成長性を感じるものもありますが、同時にリスクもあります。私はリスクのことをあまり考えずに購入し、その後会社の経営が型抜き100%減資で事実上お金がなくなった経験をジャスダック株でしています。恥ずかしい話です。

初心者はやはり日経平均を構成する銘柄では?

 私は上記の個人的経験から、初心者が銘柄選びをする際には、日経平均株価を構成する200程度の銘柄から、ご自身の良く知るもしくは何か馴染みのあるセクター(分野のこと、例えば、化学、商社など)から選択されるのが、良いのではないかと今思うところです。このような銘柄は有名巨大企業であれば、よほどの高値掴みをしていない限り、かなりの年数がかかりますがいずれ買値に戻ってくる可能性があり、その後、買値以上の株価になることも期待できると考えられるからです。

株式投資と研究との関係

 株式投資と研究との間に直接的な関係はありませんでした。ただ、中長期的視点で企業価値向上を見守るということが長期保有を前提とする株主に求められることかと思われますが、ほぼ同様のことが研究にも妥当します。即ち、今の現象面のみに右往左往するのではなく中長期的視点で物事を捉えるという点は共通するところがあり、株式投資も研究もじっくりと腰を据えないとよい結果ができないことも同じです。

 また、株式投資をする際には投資する企業のことを会社四季報をはじめ、株価チャート、会計帳簿、種々の情報を分析し、投資すべきか否かかなり考えるものですが、分析の重要性は研究と同じものでした。例えば、証券会社が各セクター毎、各銘柄毎、トピックな情報についての分析をしたレポートを希望する株主に配布していますが、そのレポート内容は学術論文に匹敵するものも散見され、図表の見せ方や統計分析など研究面で参考になることも間々ありました。そして、何よりも、株式会社を経営という視点から見るとまた違った風景が広がること、そのことにより社会や経済についてより深い興味・関心を抱いたことも事実です。以下の書籍は、証券取引所の歴史を叙述した書籍です。現在、証券取引所を運営している日本取引所グループから出た書籍です。

 くどいようですが、株式投資は、元本割れを起こすことも少なくなくハイリスクハイリターンな金融商品とされています。一般論としては国債・公債はもとより投資信託よりもリスクは高いとされています。もちろん、リスクが高いからこそリターンも大きいことも事実です。逆も真なりです。投資の可否は十分にご検討の上なさってください。本投稿は、投資を勧めるものでも引き留めるものでもありませんので。私の恥ずかしい経験を晒し、それが皆様のお役に立ちますように。

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