株主総会招集通知(三井物産)

第102回 定時株主総会招集ご通知(三井物産) 投資

株主総会招集通知

 本日は、三井物産についてお伝えします。

トレーダーズ・プレミアム

 私は、ささやかではありますが数社の株式を所有しています。3月決算・6月総会の会社からそろそろ株式総会招集通知が来る頃かと思っていましたら、昨日、三井物産株式会社様より株主総会招集通知が到着しました。冒頭の画像で紹介しているものがそれにあたります。インターネットで公開されていること等公共性のあるものと考えたこと、私にとって本年初めての招集通知であったことから、画像をUPした次第です。

 周知の通り、株主は自益権(配当請求権、残余財産分配請求権)、共益権(議決権)という2つの権利を有しています。株主総会に参加もしくは事前に郵送することにより議決権を行使し、株主総会に出席すれば経営陣と株主とのやりとりを生で見ること可能で、特に質問したいことがあれば株主の立場から質問ができる年1回の貴重な機会でもあります。更に、株主総会は株式会社における最高意思決定機関であり、通常は1年に1回開催され、報告事項と審議事項があります。報告事項では、1年間の事業報告と計算書類報告等がなされ、審議事項では、取締役の選任が行われます。

 今年の6月に行われる三井物産の株主総会における審議事項としては、剰余金配当、取締役選任、監査役選任の3点が審議事項として記載されています。最近では、取締役会決議により配当金支給を決定することが可能になったため、株主総会招集通知の際に、配当金関係の書類等が送られてくることもありますので、関係する方はご注意ください。

株主総会に行く意味(コロナ前)ー一般論

 私は、コロナ前には可能な限り株主総会に行くようにしていました。そこでは、受付から総会終了に至るまでの短い時間ではありますが、その会社の社風であるとか、経営陣の根本的な考え方の一端を知ることができる貴重な機会でもあると感じていました。今は、総会屋が仕切ることは法的に厳しく禁止されていますので、一般投資家が出席する時代です。株主の中には書類をかなり時間をかけて読み込んだ上で鋭い質問をし、丁々発止のやり取りをすることもあります。大変勉強になることもありました。

 不祥事や訴訟案件を抱えている会社だと、往々にして株価が低下していることもあり経営陣は株主から厳しい突き上げをくらいます。このような時に会社の本質が透けて見えるような気がします。会社に対して鋭い・批判的な質問をする株主には議長である社長が喧嘩腰の対応をするところさえありました。他方で、鋭い質問に対しても丁寧な応対をするところも存在します。まさに会社により対応はそれぞれまちまちであるように思います。質問に対する会社側の対応は、私個人としては会社の根本を知ることができるように思います。また、総会には会社の社員が多数動員されていますが、社員の株主への応対からもその会社の何かを伺い知ることができるように感じます。また、コロナ前の2019年6月に実施された株主総会では、多くの会社では総会土産を廃止していましたが、従前同様に総会土産を配布してくれるところは株主のことを考えてくれているのかと少しうれしい気持ちになります(もちろん、出席できない株主のことを考えれば公平ではないのですが)。

 どの会社でも感じたことですが、平日の午前に開催するとなれば、現役世代の出席はどうしても多くはなく、特に目立ったのはシニア層でまだ元気のある方々でした。鋭い質問をする方の多くはシニア層でした。

三井物産の株主総会(コロナ前)ー個人的印象

 私はコロナ前の2019年まで複数回は三井物産の総会に参加したと記憶しています。以前は知らないのですがここ最近はJR品川駅から歩いて少しのグランドプリンスホテル高輪・国際館パミールでの開催です(今年もそうですが、ご来場自粛が呼びかけられています)。三井物産は個人株主が相当数存在することもあり、コロナ前にはJR品川駅から総会に参加しようとする人々の列でごった返していました。雨でも降ればかなり大変なことになっていました。

 三井物産で印象深かったのは、総会で質問をしたすべての株主に対して「ご質問ありがとうございます」という言葉が必ず添えられたことです。少なくとも、このような言葉を添えた会社は私の知る限りではここだけでした。そして、可能な限り真摯に質問に回答しようとしていたことも印象深いことでした。それに加えて、総会土産が廃止になる大きな方向性がある中でも、2019年まで土産の配布を続けてきたことは、いろいろとご意見があろうかと思いますが、総会に参加した株主としては、自分は株主として然るべく処遇されたという思いを強くしました。

 総会土産を支給すると、どうしてもそれだけが目的化してしまうという面は否定できないとは思います。ただ、総会に参加する方は全般にシニア層が多く、よぼよぼで杖をつきながら会場に来られたご高齢の方が総会土産を受け取って嬉しそうにされていた姿を見たことがあります。このご高齢の方にとって、仮に総会土産を受け取ることが一つの楽しみ・生きがいになっているのならば、それはそれでいいのではないか、会社は良いことをしているのではないかと強く思ったものです。

2021年6月の総会(三井物産)

 昨年に続いて、コロナのため会場への来場自粛が呼びかけられています。当日、会場に来られない方のためにインターネットによるライブ配信が予定されています。ただ、ライブ配信だと会社法上の株主総会への出席とはならないので、当日の質問や議決権行使はできません。そのため、事前に議決権行使をする必要があります(招集通知61頁参照)。記念品(いわゆる総会土産)の配布はないことも事前に明示されています。

スマート行使での議決権行使による景品抽選のご案内(三井物産)

 総会に出席しない株主が、QRコードを読み取る方法での議決権行使(スマート行使)をした後にアンケートに答えた場合、抽選で3000名に三井農林株式会社のスリランカ産紅茶(テジィーバック)を景品として進呈されるとのことです。写真が招集通知60頁に掲載されています。応募に関する詳細については、招集通知60頁、59頁を参照する必要があります。

 おそらくですが、総会土産に代わるものとして会社側が考えだしたものと思われます。私は個人的にはこのような細やかな株主への配慮が大変うれしく思っています。

 数年前の総会で貰ったように記憶しているのが、以下の紅茶です。種類の違うもの2箱と紅茶とは違う別のものをもらったように記憶しています(今回の景品とは直接関係ありませんのでご注意下さい)。

 なお、株主総会終了後においても三井物産(「三井物産 株主通信」)について言及しています。よろしければ、以下をご参照下さい。                              三井物産 株主通信                                           

下記に紹介する書籍は、いわゆる仮装通貨即ち暗号資産(ビットコイン、イーサリアム等)に関する書籍です。どうすれば儲けられるのかというノウハウ本ではありませんが、暗号資産に通暁した弁護士が暗号資産の実態をふまえた上で制度全体について詳しく解説する書物です。暗号資産への投資を検討されている方がおられましたら、投資を斡旋する方とは異なる立場の方が書かれた書物を読まれた上で、投資対象とすべきか否かを検討されてもよいかもしれません。

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