目次
要点
2021年8月5日(木)、日本コークス工業株式会社(旧三井鉱山)は、2021年第1四半期決算の純利益が17億3300万円(前年同期・8億1700億円)であることを公表しました。同時に通期連結純利益を上方修正し、54億円(これまで39億円を予想)とし、配当金も増額すること(1株4円から5円)をも発表しました。いずれも、主力のコークス事業におけるコークス価格の上昇に伴う売上・営業利益・純利益UPが理由です。背景には、当社の大株主であり、かつ、コークス供給先でもある日本製鉄(旧新日鐵)の業績、ひいては鉄鋼業の業績が回復していることと全く無関係ではないようにも思われます。ともかくも、株価が100円ちょいというのはいくらなんでも安すぎます。株価がまともな水準に改善されることを期待しております。私は、本銘柄の株価が中期的には上昇すると考えています
(なお、この予想は一株式投資家のつぶやきと捉えて頂きたければ幸いです。株式投資は自己責任でお願いします)。
決算
ここ数年の当社の企業業績の詳細は以下の通りです。
1Q 連結純利益 | 通期 連結純利益 | 配当 (期末一括) | 備考 | |
2018年度 | 6億4100万円 | 31億9700万円 | 3円 | コロナの影響がなかった年度 |
2019年度 | 5億2900万円 | 2800万円 | 1円 | コロナの影響が若干あった年度 |
2020年度 | 8億1700万円(赤字) | 39億6800万円 | 4円 | コロナの影響大の年度 |
2021年度 | 17億3300万円 | 54億円予定 (上方修正) | 5円予定 (増配) | 本年度 |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る |
上記から明らかなように、本年度の数字は大変良いものです。とはいえ、主力事業のコークス事業は、鉄鋼業(高炉を保有する大手鉄鋼会社、具体的には当社のコークス供給先である日本製鉄)の業績に依存している面が多分にあります。鉄鋼業の回復は、製造業回復のシグナルでもありますので、鉄鋼業の回復を期待し、当社の更なる業績向上を期待したいものです。
株価
株主総会では、当社の株価が業績と比較して余りにも安すぎるのではないか、という点が複数回にわたり株主から問題提起がなされ、この点については株主・経営陣ともに認識は一致していたと記憶しております。経営陣は、当社の株式が低位株と位置づけられていると認識しており、そのためにもやるべきことをコツコツと積み重ねていくというスタンスでした。
また、10数年前になりますが、当社の株価が一気に上昇し、ストップ高を経験し最終的には株価500円を超えたことがあります。また、株価400円台の頃もしばらく続きました。このことを認識しているか否かで現在の株価水準への認識は異なってくることでしょう。ともあれ、株価100円~110円という水準は異常に安く、200円に到達しても全く不思議ではないと思います。
課題
長期的なスパンで見ると、高炉でコークスを利用しない日が来るとも語られており、コークス一本足打法は危険であり、利益構造の多面化・重層化が急務です。おそらくはこのイメージが当社の株価上昇の重しになり上値を追う展開を阻害している一因かもしれません。
しかしながら、当社は三井鉱山以来の伝統があり、事実上債務超過に陥り経営破綻したに近い状態で国有化された時期もありながら、今日の状態にまで復活したのは、危機に強い社風・足腰の強い社風があることは確かでしょう。石炭の埋蔵量は多く、全く石炭を使わない日が来るとも考えにくいこと、石炭に関連する種々の事業展開もなされていることから、当社に期待しています。
ともあれ、今後とも日本コークスには注目していきたいと考えています。
コメント