株主総会招集通知(日本コークス工業、旧三井鉱山)

投資

 

株主総会                                日時:6月29日(火)午前10時~                   場所:ティアラこうとう(江東公会堂)地下1階大会議室           (都営新宿線、東京メトロ半蔵門「住吉駅」から徒歩4分)          ※場所が例年とは異なっていますので、ご注意を。           

 私が所有している銘柄で、株主総会が6月下旬のかなり遅い時期(いわゆる集中日)に開催される会社があります。その会社とは、日本コークス工業という会社です。かつては、三井鉱山という社名でして、三井銀行・三井物産と共に三井財閥の中核的企業でした(現在、三社の内で社名が変わっていないのは三井物産だけです)。例年でしたら、東京メトロ東西線・東陽町から徒歩5分程度のところにある(江東区役所近くの)江東区文化センターで実施されるのですが、今年は場所が変わっていますのでご注意ください。

 1960年代、総資本対総労働という激烈な労働闘争の一つとされている三井三池争議をご存知である方もおられることと思います。三井三池争議は三井鉱山が経営していた三井三池炭鉱で発生したものでした。三井三池争議に関しては、労働側が中労委からの斡旋を受け容れ事実上の敗北に終わりますが、第二組合である新労組結成の是非、既存労組の組合員引き締めの是非、当時・労務課長であった大澤誠一氏(後の三井鉱山常務、故人)の労組切り崩し手法・「職場の主人公は労働者である」という労組側の主張への否定的見方等学問的にも興味深い内容を多く含んでいることと同時に、研究者である大学教員が当事者でもないのに労組側を煽ったのではないかという私ども研究者としては見過ごすことのできない重大な疑念が浮かび上がってきます。具体的には、当時、九州大教授で旧社会党協会派の重鎮であった向坂逸郎氏の行動をどのように評価すべきなのか、という点です。大変難しい問題なので今回は深堀しませんが、研究者と社会とのかかわりを考える上で、少なくとも無責任な関わり合いをしてはならないことを示唆しているように私個人は理解しています。

 そもそも、いわゆる財閥系企業の淵源が鉱山経営(鉱山会社)である場合が多いことは周知の事実です。鉱山業を当てれば大儲けできるということは歴史的事実と申しても誤りではないでしょう。例えば、三井=三池炭鉱、三菱=高島炭鉱、住友=別子銅山等を列挙することができましょう。また、株式投資で著名な是銀さん(是川銀蔵氏)はご自身が鉱山経営をされていて、晩年、住友金属鉱山(通称、別子)の投資で大儲けしたという著名な話がありますね。相場師・是川銀蔵氏については、以下に示した、是川銀蔵著「相場師一代」(小学館文庫、Kindleもあり)をご覧ください。

 三井鉱山は三井財閥の中核である三井銀行・三井物産と並ぶ御三家とされた名門企業でした。戦後、金属鉱山部門が三井金属鉱業株式会社(現社名)に分けられ、石炭鉱業部門を担ったのが三井鉱山でした。その後、同社はエネルギーショックを乗り切りますが1997年に三池炭鉱閉山により国内石炭採掘事業から撤退し、2000年以降に債務超過となり、産業再生機構の管理下におかれ事実上の国有化状態にあった時期もあります。その際、経営再建をなす際に高炉で製鉄を行う際に不可欠な原料であるコークス供給およびそれに関連する事業に絞り現在に至ります。2008年10月、コークス供給の関係から新日鉄(現在の日本製鉄)と住友商事、2つの会社の持分法適用関連会社となり、2009年4月には社名を三井鉱山から現在の社名に変更して現在に至っています。

 率直なところ、2008年以降、もはや三井財閥の一角をなす会社ではなくなっており、日本製鉄・住友商事両社の関連会社であると理解した方が分かりやすいかもしれません。現に、今年の株主総会の取締役候補、監査役候補、補欠監査役候補は皆さん日本製鉄(旧新日鉄)に長年籍をおかれていた方ですし、現社長もそうだったと記憶しております。

株主総会の中身

 日本コークス工業の株主総会には複数回にわたり出席した記憶があります(但し、2020年以降はコロナなので出席はしていません)。都心のど真ん中の高級そうなホテルで開催する会社とは異なり、江東区の公共施設で開催されることもあり、数千人単位の株主が押し掛けるというのではなく、アットホームな感じの株主総会であったことは個人的には大変うれしく思えたものでした。ホテルではなく公共施設を使用するという点もセコイと思われる方もおられるかもしれませんが、私個人としては最近の公共施設は綺麗なところも多いので、無駄なところにお金をかけないという点は好ましいことと思えました。

 このようなアットホームな中での株主総会であるという事情から、シニア層の事前の資料読み込みに基づく鋭い質問にも経営陣が丁寧に回答していたこと、経営陣にとっては厳しい内容の質問であっても(例:株価が安いがどうなってんだ)丁重に回答していたことをうれしく思っていました。全般に株主との対話を重視しようとしている姿勢が垣間見えたことは今後に期待したいと思わせるものでした。いまは関係がなくなったとはいえ、株主を大切にしようとするあたりは元三井系の企業だからかなと推測したものです。

本年の株主総会ー議案

 2021年6月の株主総会では、以下の4つが議案として上程されています。簡単に内容も示しておきます。

1号:剰余金の処分の件                                   →前期から3円割増の1株4円配当という内容です。                      2号:取締役1名選任の件                                  →日本製鉄の執行役員で現当社顧問の方(満60歳)が候補になっています。                   3号:監査役1名選任の件                                  →社外監査役として、日本製鉄株式会社関係会社部部長の方(満51歳)が候補になっています。        4号:補欠監査役1名選任の件                                →補欠監査役として、日本製鉄株式会社関係会社部上席主幹の方(満48歳)が候補になっています。

スマート行使 プレゼント企画のご案内

 スマートフォン用議決権行使ウジェブサイト「スマート行使」での議決権行使の後に、アンケートに協力した場合、株主の中から抽選で100名に1名の割合でクオカード500円分が当たります。議決権行使締切の2021年6月28日午後5時45分までに行使する必要があります。

 株主で未だ議決権行使をされていない方、プレゼントを希望するのであれば、あまり時間はないのでご注意ください。

日本コークス工業株の魅力

 私は、中長期的視点で考えるのならば、保有を検討しても良い銘柄の一つではないかなと思っています。理由は2つあります。

 まず、10数年前に(当時)200円程度の株価が一気に500円を超えたという事実があることです。一気に2倍以上の株価になったことは今でも脳裏に刻まれています。当時、ストップ高になった日もあります。もちろん、当時と現在では規模や環境が異なりますので一概に比較はできませんが、現在でも1株100円程ですので、市場では低位株の扱いをされています。甚だ愉快なことではありませんが、あまり多くの人には知られていない銘柄が、またいつの日か火を噴いて爆上げするのではないかという期待があります。もちろん、期待なので実現するかもしれませんし、裏切られるかもしれません。このようなあまり知られていない銘柄を仕込んでしばらく寝かしておくというのも一つの投資手法かと思いますが、くれぐれも余剰資金で対応されますように。

 もう一つは、現経営陣が奮闘しており、2021年3月期の配当として4円配当を1号議案として株主総会に上程していることです。要するに、企業業績が良いので配当が良いということです。現在の株価からすればそれなりの配当利回りになりますので、有難いことです。私の知る限り、ここ10数年で1円配当(昨年)、2円配当、3円配当は記憶にありますが、4円配当ははじめてと思います。配当の点でも魅力があると思います。

 上記は、三井三池及び筑豊の盛衰についてのDVDです。ご参考まで。なお、株式投資を含む投資の判断は、自己責任でお願いいたします。日本コークス工業については、株主総会後にも言及しています。よろしければ以下をご参照下さい。                               https://www.syagakuken.com/n-coke2/

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