第二外国語の履修

                       

はじめに

大学に入学されたばかりの新入学生の皆様、どの科目を履修すべきか悩んでいる方も少なくないことでしょう。私も、大変悩みながら履修科目を決めたことを思い出します。今日は、第二外国語の履修をしようか迷っている学生さんに対して何かしら参考になることがあればと思い、書いています。

大学院進学・語学に関心のある方へ

そもそも、私が大学生だった時は第二外国語(英語以外の外国語、具体的にはドイツ語・フランス語など)の履修は卒業するために必須でしたし、学生さんの親世代もそういう方が主流かと思われますが、現在、必ずしも第二外国語を履修する必要がなくなり、場合によれば英語だけの履修で卒業できるケースもあります。ここでは、将来、大学院に進学すること、ひいては、研究者になることを少しでも想定している方向けに書いています。また、語学に少しでも関心のある方なら、読んで全く無駄にはならないと思います。

大学院入試と第二外国語

結論から言うと、第二外国語は可能な限り履修された方が良いでしょう。その際、大学院進学を想定している方は、大学院入試(マスターのみならずドクターも含めて)において英語以外の語学が課される可能性があるのなら履修すべきです。私は、学部・大学院ともに同じ大学でしたが、私の頃から、大学院は別の大学に進学することはそれ程珍しいことではありませんでした。そういう点からすると、現在、自分が通っている大学以外で進学する可能性があるであろう大学の大学院入試についてもざっと調べてもいいかもしれません。まだまだ外国語を2か国語課す大学は、専門分野によれば珍しいことではないのです。そして、大学院入試における外国語試験では、一般に大学院教育に耐えられるだけの語学力、即ち、ご自身の専門分野の文献(書籍、論文など)を読んで理解できるだけの専門分野の語学力があるのか否かをチェックするために行われるのですが、その前提としてそもそもの語学力がなければ話になりません

選択する基準

このように、大学院入試で第二外国語が必要であることは分かったけれども、今は興味のある語学を履修し、大学院に進学することを決意してから大学院で必要となる語学の勉強をしてもいいのではないか、という思いを抱いた方もおられるかもしれません。確かに、論理的に考えればそのような選択も有り得ることで、合理的と言えるかもしれませんが、あまりお勧めはしません。

理由

語学習得にはいかに優秀な方であっても莫大な時間を要するからであり、第二外国語をあっちもこっちも習得すると精力が分散するからです。指導教授によれば、大学院博士前期からドイツ語もしくはフランス語の講読をする場合もあり、その際、学部時代にドイツ語・フランス語の選択の有無は考慮さえされません。それこそ、大学院に合格した4年生の秋から翌年の春まで必死な思い出語学の勉強をする例も少なくはありません。このようなことをふまえると、少しでもかじったことがあるだけでかなり優位です。以下、自分の体験を書きます。

自分の体験

私は、大学に入学した当初は第二外国語としてスペイン語に魅力を感じ、スペイン語履修にほぼ決めていました。ただ、自分の大学の大学院入試をそれとなく調べてみると、大学院博士後期課程に進学するための入学試験では英語・ドイツ語・フランス語から二か国語選択であることが判明しました。当時は、研究者になる明確な意思なり希望はなかったのですが、雑談で母親に相談したら今から選択肢を狭める必要はないだろう、とのことでその後自分なりにじっくり考えた結果、ドイツ語を選択することにしました。学部1年、2年とドイツ語を履修しましたが、専門分野の方が興味深くなったこともあり苦行でした。その後、種々の事情から博士後期課程の入学試験を受験することとなった際、数年ぶりであらためてドイツ語を1から勉強しなおしましたが、その際には学部時代の苦行が自分を大いに助けてくれました。過去の記憶が、どんどん戻ってくるのです。一から始めることから比べるとどれだけやり易かったことか。ドイツ語を選択していなかったら、大学院博士後期課程に進学で来たかどうか、ひいては、現在、私が大学教員になれたのかについては何とも言えないというのが正直なところです。

語学習得で学んだこと

ドイツ語を1から勉強しなおす際には、英語も鍛えなおしたのですが、その際にご指導頂いた先生(大変上品で教養のある、しかも偉ぶるところのない庶民的な高齢女性)は、英語を専門としていたのですが英語をより深く理解するためには英語だけを学んでいるだけでは不十分であり、英語に密接なかかわりのあるフランス語もしくはドイツ語を学ぶことが不可欠であると指摘しておられました(英語の単語の中にフランス語由来のものが多いことはご存知の方も多いでしょう)。先生は、更にラテン語やギリシャ語まで学んでおられたことが大変印象深いことでもありました。そのような先生からのご指導を頂く中で、語学習得にはとにかく時間がかかるということ、数か月程度の短期間での語学習得は穴ぼこだらけで、使い物になるような語学力ではないこと、語学力は語学だけに集中したからと言って学力が飛躍的に向上するものではなく、何かと並行してゆっくりと学力を伸ばしていくことが正統的な学び方であること等、経験的に悟りました。

おわりに

私が経験した語学学習の詳細や大学院入学試験については、また後日に書く予定です。最後に評判の良い独和辞書を紹介しておきます。最初の小学館のものはほぼ完璧なもので、以前は持ち運びがしにくい大きなものでした。それを持ち運び可能なものにしました。

次の郁文堂のものは、小さいながらもそれなりの優れもので、訳出の仕方が大変上手く、助けられたこと多数ありです。

                            

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