目次
要点
日本コークス工業株式会社(3315)の株価が上昇基調にあります。かつて、当社は三井鉱山と称していました(三井財閥の一角を担っていました)。同社の最近の企業業績は上向きで増配(1株6円、前期4円)を公表したことに加えて、最近の不穏な国際情勢の影響による上昇と推測されます。
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かつて、2007年10月には上場来高値の524円を記録したことのある銘柄で、上げる時は一気に上がる印象があります。今回どうなるのか、全く分かりませんが、最近の株価動向並びに本銘柄と私とのかかわり、ひいては株式投資家として重要な点等について述べています。
なお、令和4年2月、実態の分かりにくい機関投資家とは何者なのか、何を考えている団体なのかを明らかにした本が出版されましたので、上記に紹介しておきました。「機関投資家に聞く」というタイトルです。
日本コークス工業・最近の株価
不穏な国際情勢の影響で、日経平均株価は連日かなり値を下げています(ロシアの今般の行動、特に、戦後の国際秩序を崩壊させるかの如き動きには強い憤りを感じます。ここでは詳論は控えます)。その一方で、日本コークス工業(旧三井鉱山)の株価は年初来高値を更新し続けています。これまで株価は130円~140円あたりでしたが、ここ最近大きく上げています。以下をご覧ください。
日付 | 株価(終値) | 前日比 |
2月25日 | 138円 | ― |
2月28日 | 139円 | +1円 |
3月1日 | 141円 | +2円 |
3月2日 | 153円 | +12円 |
3月3日 | 164円 | +11円 |
3月4日 | 170円 | +6円 |
3月7日 | 189円 | +19円 |
3月8日 | 163円 | ー26円 |
3月9日 | 158円 | ー5円 |
3月になり日経平均の動きとは対照的に上昇しています。その背景事情として、国際情勢の急激な変化があります。急激な変化に伴い、異様な原油高となっています。主要な供給源であるロシア産原油の供給減の予測等もあり1バレル110ドル(先物価格)を超えています。一部には、150ドル超えの声さえ聞かれます。同様にエネルギー源たる石炭価格も上昇を続け史上最高値を更新しています(かねてより、原油高になれば石炭高になる傾向はありました)。
かくして、このような背景のもと、石炭・コークスを専門的に扱っている日本コークス工業の株価が上昇したものとみられます。
今後の予想①ー決算
会社側は株主総会等でも発言しているように、地味ではありますがコツコツとやるべきことをやってきたことは確かだと思われます。その結果、着実に利益を生み出すことのできる体質に生まれ変わりつつあります。
令和4年2月4日付の会社による決算発表では、以下の様な上方修正がなされました。売上高1260億円(2.4%増)、経常利益110億円(2.8%増)、純利益68億円(4.6%増)、です。これに伴い、配当については増配を公表しました。1株5円から6円への増配(前期1株4円)です。会社業績も良くなり、増配もなされるのであれば、いずれ株価も然るべき水準になったであろうところ、今般の国際情勢の激変と合わさって3月になり一気に株価が上昇したのだと推測しています。
今後の予想②ーどこまで株価が上昇するのか
株価がどの水準まで上昇するのか予想することは極めて難しいですが、一つの手がかりは国際情勢並びに国際的な石炭価格がどうなるかでしょう。ファンダメンタル分析では、現状の株価(189円)は決して安くはなくそこそこ高値をつけています。とすると、一気に株価が130~140円あたりに戻ることも絶無ではないとも思われます。他方、配当狙いかつ長期保有でもいいという個人投資家の流入がそれなりにあれば、一定の株価を維持するようにも思われます。
個人的には、今後、200円を突破できるのか否かが一つの大きなポイントではないかと考えています。私は、三井鉱山の頃からこの銘柄を所有し続けてきましたが、その頃、株価は200円ちょいでした。
その後、原油高・石炭価格上昇を背景に、当時の三井鉱山は一気に株価を上げ、ストップ高を出した日さえあったと記憶しています。最終的には、2007年10月16日に上場来高値の524円をつけました。これが頂点でした。株価はその後下げに転じますが、この時の下げは一気に下げたのではなく、緩やかに下げていったような記憶があります。
個人的経験からー恥ずかしいお話ですが
上場来高値をつける数年前に(当時の)三井鉱山はいずれ化けるのではないか、という確信をもち、株価上昇を期待して寝かしていました。どんどんと値を上げたときは自分の予想が当たったことに歓喜しましたが、売るべきタイミングを逃してしまいました。上場来高値での売却は不可能であるにしても、そこそこで売却すべきでしたが、上場来高値を超える水準の株価になるのではないかと思い、しばらく保有を続けていました。すると、株価は400円台に下落し、じわじわと値を下げていきました。もはや売却するという決断はできなくなりました。それ以来10年以上保有しているという情けない次第です。
今回、久しぶりに株価が急上昇し、大変うれしく思っています。同じような思いの方もおられるかもしれません。ただ、株式投資は売り時が大変難しいというのは、今にしても痛感します。今回は、急にふって湧いたような外的要因による株価上昇であるという側面が否定できないので、2007年とは異なり一気に下げの局面に転ずる可能性があります。
とはいえ、長年にわたり自分の信じている銘柄を保有し続け、株価が上昇するまで待ち続けることができるのは個人投資家にしかできないことです。短期的利益を考える機関投資家にはできない芸当です。今は、必要な資金を株式投資等により増やしていくことが必要な時代ではありますが、そのためにはじっくり待つことに加えて、売り時を事前に自分で決めておくことが重要かもしれません。
本銘柄は、自分にとってこのように忘れることのできない思い出のある銘柄ですので、また、何かあればブログを更新したいと考えています。
以上は、個人的な分析及び経験を書いているだけですので、売買等の取引を決断する際には自己責任でお願い致します。
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